長らく取り上げさせていただいた本書も最終回です。

ちっとばかし本業が立て込み、間が空いてしまいました。

本書の終盤は、あらゆるノウハウの宝庫です。

本書は確かに初心者に「動くシステムを体験」してもらうためにかゆいところまで作りこまれており、その意味が分からなくてもそれなりにかっこいいシステムが作れます。

私の弟子に本書を紐解いたものがおりました。

しかし、彼はその宣伝文句通りに表層をなでただけで終わっていました。

私は、プロの門を潜った人、あるいはこれからプロの門を潜ろうとしている人にとって、本書とどう取り組むことが自分のためになるかを説きました。

私自身、本書から多くのものを学び取りましたし、これからどこを探っていけばいいか、たくさんのヒントももらいました。

そのひとつがscaffoldです。本書でもリクエスト機能の実現のために使われています。

DBのテーブルまで自動生成してしまうのには驚きました。これってRailsから来てる文化の継承なのでしょう。知識としては知っていましたが自分で使ったことがなかったのです。

しかし、scaffoldは懐が深そうです。本書で紹介された使い方以外にも機能がありそうな気配です。追いかけたいところですが、私はこれからScratchに取り組まねばなりません。

ガラッと違いますね(笑)

だいたい60のオトコが取り組むことか、と思ったあなた、Scratchをなめてはいけない。

これがなかなか可能性を秘めています。

もしかしたらですよ、もしかしたら、それほど遠くない将来、プログラミングの手法はここに集約されてくる可能性だってあると、私は思っています。コーディングなんかしない。そんな日がなんとなく予感されます。

しかし、私がScratchに取り組むのは、教育者として、これからの世代にプログラミングの楽しさをどう教えるか、その知識の一環として知っておくべきと思ったからです。大それた未来予測のためではありません。

話は本書に戻りますが、Scaffoldと共に、本書の終盤ではbootstrapのclassをバリバリ使っていますし、FuelPHPのHtml::anchor とか Str::trancateなど興味深いメソッドが登場しています。

これらをひとつひとつ取り出し、そのふるまいを追っていくことで、学習の深さは大きく前進します。そして理解出来たら、その機能を使って自分でなにか作ってみることです。

プログラミングの技術はそのようにして磨かれていきます。

どの学習書を用いるにしてもこの姿勢は大事です。書籍が与えてくれる命題に対し、覚えたら使ってみる。理解が正しくなければ、動かないかも知れません。そうやって自分が得た知識がどの程度のものかも理解できます。

本書のようにさりげなく高度な技術をちりばめてある書籍は、どなたかが書いていたような、「読み物としては面白い」とか「ある程度経験を積んだものには無益」なものでは決してありません。

著名人のつまらぬ書評に踊らされることなく、好奇心丸出しにして、楽しんでもらいたいと思います。私がこれから始める塾も、その精神を存分に前面に押し出して運営していく所存です。

このブログは、あまり直接技術的なことは扱わず、もっと日常的なことを書いていく予定でしたが、本書に巡り合ったためにちょっと番外編的に取り上げました。

好き勝手に題材にしたことを黙認していただき、作者様には感謝しております。

演習問題の一部はまだ出来ていません(笑)

その代わり、本書にはない万年カレンダーが付いてます。まったく意味ありませんね(笑)

本書の最後に、今後教育者を目指す私にとって、示唆に富むコラムが掲載されておりました。

大筋のところで、本書の作者様は、私と同じ考えでエンジニアの育成に取り組んでおられるように感じました。

そのような意味でも本書に巡り合えたことは僥倖でした。

改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。