一昨年、社の株式売却に伴い、社で使っていたたくさんのPCが手元に残りました。
異様に古い(XPとか)ものは処分、その他、無数の社用スマホ、他こんなものまであったんかい!のような古いiPadとか。
その中で、富士通製のUltrabookが一台。ん?何故一台?
これ確か何台か購入したはずだが。ま、いいか。
昨年は足掻いた年で、自分の新しい道を探した1年。
山積みになったのは電子機器類だけではない、親会社となった会社へ引き渡すべき書類や情報、要らなくなった情報の腑分け、自身や、一緒に新天地へ出向いてくれた社員の所属変更の手続きに必要な情報を、ほとんど整備していなかった旧自社の情報の山の中から探し出したりすることに時間を費やし、
今年に入り、新たにスクールを立ち上げ、そこでは残ったマシンは一切使わず、全台まっさらの同一機種を揃えました。
如何にもあり合わせで間に合わせたスクールという体裁をとりたくなかった。
その準備に奔走して、やっと、手元に残ったマシンを一台ずつ見ていくと、件のUltrabook,CORE i7。ごっついな。でもWin8やん。
使い辛。しかも、もう10への無償アップグレード時期過ぎてるやん。
んー、待てよ。これ買ったとき、すでに10へのアップグレードの権利が付いてなかったか?
などという希望的もしかしたら作り上げ記憶にすがり、検索してみると、簡単にWindows10へのアップグレードが出てきたので、
試している最中でございます。
しかし、時間がかかる。当分終わりそうな気配がないので、結果は後日。
引き続き、本書を読んでいました。
この中で、情報を蓄積する手段としてEverNoteを使用する選択肢に触れています。
が、著者はおススメしないと明言している。
ご本人が数千に及ぶPDCAノートをEverNoteにアップしておき、役立てようとしたが、一切役立たなかった経験談を赤裸々に綴っています。
そして、EverNoteが情報の蓄積には向くが振り返りには圧倒的にアナログなノートが向いていると判断した下りは、自分も経験があり、「俺はデジタル機器が活用できない古い人間だ」と思っておりました。
しかもチャレンジの濃さが違います。こういう著者は信用できるな、と思います。
僕はビジネス書も読みますが、それに大きな期待は寄せません。
あくまで、読み物として面白いかどうかが大事で、ビジネス書はその意味で外す率が、小説よりかなり多い。
僕はビジネス書を通して、著者の人となりに触れようとしているのだな、と思います。
僕が8年弱の開発会社経営において、もっとも心の支えにしたのは北方謙三さんの小説です。
氏の描く主人公達の肚のくくり方、困難な道を淡々と歩く姿勢、他者への、「押し売りでない」思いやり。
会社経営について、指南書のようなものがたくさん出ています。
宣伝も多い。「一流の経営者と三流経営者の決定的違い」がどうのとか、「経営者が絶対にしてはいけないなんちゃら」とか。
皮肉にも僕のこのブログにもそんな広告が載る。
勝手に載るので、放置ですが、出来ればそんなものに頼って欲しくない。
経営なんて最後の最後は技術ではない、と思っている男なので。
どんなに稚拙な経営手法も上手くいくときは行きます。
どんなに立派な経営者も失敗するときはします。間違いない。
Apple社を死の淵へ追いやったジョンスカリーが悪い経営者であるわけがない。
そのApple社を不死鳥の如くよみがえらせたジョブスが良い経営者と言えるのか。結果を出したのだから良い経営者であることは間違いないですが。
以下の3つの行動のうち、経営者が絶対やってはいけない行動はどれか、みたいな広告に、多くの方が3番だとか、全部だとか、一生懸命コメントを付けているのを見ると暗澹たる気持ちになります。
人間をなめるな、と言いたい。
でもあれも商売なんですよね。「経営者になりたい」人の欲望を捉えて餌にする、その手法を非難することは出来ない。
その手の広告が後を絶たないのは「手法として確立している」ということです。商売として成り立っているということです。
僕はプログラムを作ったり、作り方を人に教えることを生業としているので、デジタルの可能性とか、デジタルの素晴らしさを伝えないといけない。のかも知れない。
しかし、デジタルは何を目指していると問えば、懸命に、限りなく、アナログ世界に近づこうとしているのです。
近年では、アナログとデジタルの境界線があいまいになってくるほどその距離は縮まっている気配です。
そうは言っても、やはり最後は自分がアナログな存在であることに行き当たります。そこから目を逸らさずにデジタルを生業にする姿勢を忘れてはいけないな、などと自戒の念を込めて、本書を讃えます。